昨日も夕方に食料品を買いに行った以外はひきこもり。
YOUTUBEで映画を2本見て、夜になってから、「喜福会」を少し読む。
見た映画は「山外的彩虹」と「湘女萧萧」。
「山外的彩虹」は雲南省の山地の子どもの話。母は四年前に村の貧しさに耐えかねて失踪してしまい、主人公の子どもは父と二人で暮らしている。村の大人たちはみんな母の失踪を知っているのだが、その事実を子どもに教えるのは忍びないので「お母さんは北京に働きに行っている」ということにして口裏を合わせている。2008年の北京オリンピックのころの話らしいが、村にはテレビの電波も携帯電話の電波もとどかない。父にねだってテレビを買ってもらうが、村には電波が来ていないので、何も映らない。そんなある日、北京から若い女教師が赴任してきて、彼女が母への手紙を仲介してくれることになる。初めて母から手紙をもらい、子どもは大喜びするが、それは父に頼まれて女教師が母に成り代わって書いた手紙だった。しかし、その後、子どもはその手紙を書いたのが母ではないことに気づき、父の愛情を知る。…というような物語。最後に村にテレビの電波がとどいて、「村村通」という政府の通信政策の宣伝にもなっている。
「湘女萧萧」は、沈従文の小説「蕭蕭」が原作らしい。村の赤ん坊のところに童養媳として10歳年上の少女がやってくる。童養媳とは、中国に詳しい人なら知っているだろうが、自分の家の息子の嫁としてまだ幼い子どもを買って家に迎えることだ。正式に結婚する(圓房という)のはまだ後のことだが、それまではその家の働き手として使う。この映画の中の童養媳の少女蕭蕭も、将来の夫の子守をして毎日をすごしているが、そのうち、近所の作男と知り合って密通し妊娠してしまう。村では不義の交わりを持った場合、男は足を折られ、女は水に沈められる。蕭蕭もその様子を目の当たりにしておびえるが、作男は一人でどこかへ逃げてしまう。その後、蕭蕭の妊娠も発覚して売り飛ばされそうになるが、実際に男の子を出産すると、舅姑はその子を自分の家の子どもとすることにし、なにごともなかったかのように蕭蕭はその家にいられることになる。最後の場面では、夫は成長して学校に通うようになり、新しい社会の影響を受けて10歳年上の蕭蕭と結婚することに抵抗を感じているようだ。しかし、蕭蕭が作男との間に生んだ子どもの下にはまた新たな童養媳が来る。
古い因習がいつまでも続くと思っている家族と、どんどん変わっていく外の社会。
こういうことは今でもある。なんだか日本と国際社会もそんな関係かも。