以前、名作だと聞いていたので、見てみた。
最近、雨降りで外出もできないし、ぼんやりと過ごしている。こういう時には、
見ようと思ってみていなかった映画を見るのがいちばん。
丹波哲郎主演。若い頃の森田健作や加藤剛なども出てくる。
舞台は戦前から昭和の中頃までのようだ。
画面に映し出される日本の街は、今の日本とは別世界でアジアのどこか別の国のようだし、
森田健作や加藤剛までもが香港映画の俳優のように見える。
レビューを見ると、感動で涙がとまらないと書いている人もいるが、昭和的な湿っぽさや熱っぽさがわたしの感覚に合わなかったせいか、それほど感動もせずに見終えてしまった。
原作で書かれているディテールが省略されているのか、なんとなく納得できない箇所があったのもおもしろくなかった原因かもしれない。
緒形拳演じる巡査が、幼い頃に会っただけの男性を写真で見てそれが誰かを悟り、伊勢旅行の計画を中断して東京に向かうというところがいちばん納得できないところ。
なんとなく似ている人というのはいるものであるし、一枚の写真だけを見て、しかもそこには昔とは別の名前が書かれているのに、それが子どものころに面倒を見た男性だと確信することなどあるのだろうか。(ネットで同じ疑問を書いている人がいた)
それに、その男性が子どものころは病気の父と放浪し、父が病院に収容された後は大阪の商店の丁稚となり、さらに大きくなってから才能が開花して「世界的な音楽家」になるというのもありえるんだろうか。ロック歌手ならありそうだけど、クラッシックで?
終盤では、その男性が作曲した湿っぽい組曲が流れるなか、これでもかこれでもかと悲惨なおいたちが映し出される。たぶん、そこが泣かせどころなのだろうけど、なんだか食傷してしまった。
わたしが鈍感なのだろうか。それとも、昭和のころと今とでは感性が変わってしまったのだろうか。とにかく、見終わったが、原作を読もうという気にはなれなかった。





