2024/04/02

お殿様の兄

 先日、父の葬儀のために日本に帰ったら、ルーザーの兄が人が変わったようにキビキビと葬儀をしきっていて驚いた。やればできるじゃないの?

離婚して家に戻り、公務員として最低限の勤めをしながら、母をかしずかせて生活してきた兄だったのだが。これでは親戚がみたら、いつもこんなしっかりものだと思ってしまうではないか。しかし、いつまでこのやる気がつづくのだろう。四十九日がすんだあたりで、また鳩時計の鳩が時計の中にひっこむように、実家の二階の自室にひっこんでしまうのだろうか。


こういう人のすごいところは、「人生はもちつもたれつ」などとは微塵も思っていなさそうなところだ。お殿様は周りの者がかしずいても当たり前だと思っている。

これまで父の介護をしながら兄にいいように使われる母がかわいそうだと思ったこともあったが、これまでのような生活ができると兄が思ったのも、母が子どものころから特別扱いしてきたからだと思う。けっきょく、母がそうしてきたから、兄は結婚して妻も子も大切にできなかったのだ。

母は兄を跡取りだから大切だと言って甘やかしてきたのだが、今回の葬儀に兄の子ふたり(すでに成人)は来なかった。ふたりとも世間的に見たら、立派に育った人たちだから、来ないなら来ないなりの思いを兄に対して抱えているのだろう。たぶん、もうわたしの実家側とは音信不通になっているのだと思う。だから、もうわたしの実家には跡取りはいないのだ。それなのに、母はまだそれに気づいていないようだ。もう年も年だし現実が見られないのだろう。

3 件のコメント:

  1. タイトルで吹きまちた。

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  2. 私は家督を弟に押し付けて、気楽な隠居をやっています。

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  3. 家督って制度としてはなくなりましたが、具体的には何のことなんでしょう。墓守のこと?

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