このところずっと忙しいが、合間を縫って群ようこの「母のはなし」という小説を読んだ。
小説の形をとっているが、これは群ようこの母の子どもの時から、老年期までを描いたものだ。父を早くなくして、不幸な結婚をした母は、子どもが成人になったら離婚しようと思いながら、いろいろな仕事を転々としながら子ども二人を育て上げる。それなのに、そうやって育てた子ども二人はいつも母を冷ややかな目でみて特に感謝をしてくれるわけでもない。娘が作家として大金を稼ぎ出すようになると、母は勝手に娘のお金を当てにして数百万円単位の衣装道楽をし、十分な収入がある弟も自分も姉を当てにしなければ損だとばかりにギターや車を強請り取る。母と弟はさらに姉をあてにして 勝手に家を買う画策を始める。
…という「老いとお金」そのままのストーリーだ。姉は終始母を冷たい目で見ているのだが、そのわりにはなぜか母の言うなりになってお金を出す。「老いとお金」を読んで、わからなかったところは、小説を読んでもわからなかった。母がそれまでの貧しかった生活の反動で浪費家になるという理屈なのだが、それにしても、普通は了承も得ずにデパートの外商で何百万の買い物なんかしないだろう。
夫も娘も息子も冷血人間のような中で、母だけがけなげに生きているように思えたが、最後には大きく崩れた生き方をする。子どもたちとの間にも心が寒くなるようなやりとりしかない。この小説の中の娘のアカネは群ようこ本人がモデルなのだろうが、それにしても、このアカネも何を考えているのかよくわからない。小説よりも「老いとお金」のほうがおもしろかったような気がする。
〇今日は午前中にお寺に行って授業をし、その後、MUJIカフェで唐揚げカレーを食べてから、建設銀行に行った。銀行カードが5月で失効してしまうから、新しいカードに換えてもらうためだ。もう一枚持っている工商銀行のカードは日本では引き出しができないので、建設銀行のカードをこれまでとは違うタイプのカードにされてしまうと困る。そこで、先にそう言ったら、新しいカードもこれまでと全く同じ機能のカードになると言われて一応安心した。思ったよりも速く、20分くらいで手続きは終わったが、新しいカードが受け取れるのは5月7日以降だという。ずっと以前にカードを再交付してもらったときは、その日のうちに発行してもらったが、最近は日本と同じように何日かあとに発行されるようになったらしい。以前、カードを発行してもらったころは、現金で何の支払いでもしていたが、最近は電子化して現金を引き出したりすることも減ったから、即日発行する必要がなくなったのかもしれない。
それに、今日行ったのは、パスポート番号が変わったときに行ったのと同じ支店だが、以前行ったときには「規定がかわったので、英文名でサインする時には、姓名の順で書いてください」と言われたのに、今日、その通りの順で書いたら「名前を先に姓を後に書くように」と言われた。いつのまにまたそうなったんだろう。どこでも、変更ばかりが多くて、何がなんだかさっぱりわからない。
『母のはなし』は近所の図書館にあったような。「激怒」しながら唯々諾々と金を出す群ようこも、私は分からない。実家を「建てさせられた」と言うけど、ろくに設計も見ず、業者との話し合いにも参加せず(たぶん)、金だけ差し出すのが、意味不明。「おねえちゃんの部屋はないの」と言ってカギを渡さない母親も、もちろんドン引きですが。
返信削除そうですよね。お金を自由にされない方法は色々あると思うんです。それに、契約のときに仏頂面でいったという話がかいてありますが、ここまでの大金なら行かなければいいのにとも思いました。
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