このところ、地下鉄での通勤時間に群ようこを読んでいた。
群ようこはおもしろいのかおもしろくないのか、以前からよくわからなかった。
若かったころ、一冊くらいは読んだことがある。激務過ぎて脱毛症になった話とか、「本の雑誌」が好きなんですと言って椎名誠に採用された話だとかくらいしか覚えていない。
kindleで「老いとお金」「かるい生活」の二冊を購入。あわせて1000円くらいだ。
読んでみようと思ったのは、この二冊に家族の確執が書かれていると知ったから。
ろくでなしだった父が死んだあと、群ようこの家族は本人対母・弟という構図になり、
長者番付に名前が載ってから、さんざん母と弟にしゃぶりつくされ、最後には母の計略により、購入費用の三分の二を出して家を購入することになり、質屋にまで通ってローンを払うことになる。それなのに、家ができてみると、そこには弟と母だけが住み、群ようこは家のカギさえもらえない。結局、その後の長く続く悶着のすえ、弟とは絶縁することになる。
レビューを見ると、家族をあしざまに書く彼女を批判する声もあるのだが、そういう人はろくでもない家族というものを持ったことがない幸運な人たちなのだろう。わたしはそんなに収入があったことがないから、あれこれ強請られたりしたことはないが、このように一方の子どもを甘やかして、一方の子どもから搾取する親というのは珍しくないんだろう。
それに、この本に登場する弟はとんでもない男性のように書かれているが、うちの兄もこんな感じかもしれない。兄はわたしなんかと付き合いをしても得になるとも思っていないから交流らしい交流がないが、もらうだけもらって「人生もちつもたれつ」なんて微塵も思わないお殿様気質は同じようなものなのだろうと思った。
何だかいろいろと不愉快なことを思い出す読書だったが、それなりに面白かった。家族がいつも円満で、こういうことについて身に覚えがない人にはつまらないかもね。
あら、やだっ!(以下自粛)
返信削除近所の書店で『老いとお金』を買って、読んでしまいまちた。
返信削除あれまあ。
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