2024/05/29

居留証延長

 午前中は大学、午後は公安庁へ居留証の延長手続きに。

公安局に行く前にMUJIで唐揚げカレーを食べた。唐揚げはおいしかったけれど、

カレーは何だかおいしくなかった。帽子も買おうと思ったけど、ほしかった帽子の黒がなかったので、買うのをやめた。とりあえず昨年買ったのをかぶることにしよう。

居留証の更新手続きはあっという間に終わった。もう10年くらい前から、申請から取得までに3週間かかるのだが、今日もらった控えを見てみたら、受け取り日のところに印字された6月20日という文字がボールペンで6月7日に書き換えられていた。エスカレーターを降りて公安庁の一階につくまえにそれに気づいたので、引き返して「本当に6月7日に居留証がでるのか」と聞いたら、「そうだ」ということだった。こんなに早くでるなんておどろき。

今学期は大学の改修工事(しょっちゅうやっている)のため、6月中に終わってしまう。居留証が早く取れても、その後、寺の試験が7月14日にあるので、それまでは日本に帰れない。その二週間はどうしようかな。北のほうに旅行してみようかな。

〇春月ねいさんが、パールバックの「大地」の話を書いていたので、読み始めた。三分冊の一冊目だけkindleUnlimitedで読めるので、日本語でそこまで読んでおもしろそうだったら、中国語版で続きを読もうと思う。いまは飢饉から逃れるために王龍が家族をつれて南方に向かうところまで読んだ。これもまたなかなか重い話のようだ。



そういえば、もうじき受験の季節ですね。書店にはこんなコーナーができていました。

2024/05/28

次は何を読もうか

 本当は「次に何を読もうか」どころではなく、今月末までは仕事が目白押し。

今日も授業が終わったあと、急に学内コンテストに審査員として出るように言われ、

出たら総評も言うことになった。

年々、コンテストやイベントが増えるのはどうしてなんだろう。

〇「文城」には、小美をめぐって、二人の男性が登場する。

幼いころから一緒に育った夫の阿強と、のちに結婚する林祥福。

二人とも善人なのだが、阿強はいかにも南方の男性らしいし、林祥福は北方の男性らしい。

人を見る時に、先入観にとらわれてはいけないけれど、私も北京から杭州に引っ越してきたときに、地域によって人の気性には違いがあるのだと身をもって知った。

私はよく学校の授業で、「南方男生」と「北方男生」の違いを絵に描いてみせている。

みんなそれを見て笑うが、どこか納得するものがあるらしい。

2024/05/27

「文城」読了

 土曜日は丸一日、コンテストでつぶれた。

ここには書かないが、いろいろあって、気分がもやもやすることばかりだが、

こういうものは、中国人の茶番にすぎないのだと思うことにした。

中国的にはよくあることなのだが、そうでない私たちの目から見ると変なことばっかり。

でも、まあ、うちの大学の子はそこそこいい成績がとれた。

〇そんな中「文城」読了。

二部構成で、第一部は林祥福を中心とするハードボイルドな物語。第二部は林祥福の行方をくらました妻の物語。兄妹だと言っていた阿強と小美は実は夫婦で、文城も実在しない町なのだった。どちらも阿強が林祥福に対して言ったその場限りのでまかせだった。厳しい親の元から逃れて、上海へ行き、親元から持ち出した大金を蕩尽し、次はいるのかいないのか定かでない親戚をあてにして北京を目指す。しかし、あまりにも幼くて世間知らずの二人の北京行きは行き詰まり、故郷に戻る。その後、……。いつもの余華の小説のように無残に人が次々と死んで、江南の瑞々しい山地の風景の中で、偶然、林祥福と小美はある形で再会を果たす。

ホッブスの「万人による万人に対する闘い」ってこういうものなのだろうかと思った。

残酷などんな暴虐もまかり通る社会で、義侠心や親子・夫婦の情を頼りにして生きる人間の儚さ・悲しさみたいなものを感じた。中国はつい最近までそんなところがあったよね。それが中国人気質を生み出したような気もする。いまは管理が行き届きすぎて、ある意味で日本よりも安全な国になったが。



2024/05/24

「文城」はかなり怖い物語です

 今日は午前中はお寺に行き、午後は学校でコンテストの指導。そのあと、

そのまま学校で宿題の採点をした。

明日はコンテスト本番。コンテストは午後からなので、午前中に学校に行って、練習をして、学生の身だしなみを整えてから、昼までに会場に行く。

今回コンテストに出る女の子はとても優秀なのだけど、身なりに無頓着な生活をしてきたので、何を着て行けばいいかわからないし、着ていくものもないという。わざわざお金を出して着る物を買わなくていいから、できるだけまともそうに見える服を持ってくるように言ったら、ぶかぶかした感じのジャケットとズボンを持ってきた。それを着せて中国人の先生に「どうでしょうね」と意見を聞いてみたら、歯に衣着せない率直なご意見をたまわった。もう少し「歯に衣着せて」くれればいいのに。とにかくシャツは白いものに、靴は単色のものに替えてもらい、それで行くことにした。

明日は朝、事務室についたら、わたしがもっていくアイロンとヘアアイロンで身なりをなんとかしないと。

〇そんな合間に「文城」を半分くらいまで読みました。

春月ねいさん、「文城」はわくわくするようなところではなく、天災と内戦と土匪に「老百姓」たちが翻弄され、極限まで痛めつけられるような場所のようですよ。余華らしく、時に極限まで残酷で、時に極限まで猥雑な描写が続きます。苦手な人は苦手かも。わたしも引き込まれて半分読んだけど、途中で辟易しました。でも、また明日から、後半を読みます。

2024/05/22

「文城」つづき

 引き続きぼちぼち「文城」を読んでいる。

一度去った妻は戻ってくる。おなかが大きくなったので、この家でこの家の血を引く子どもを産ませてほしいと言って。

占い婆さんの言う通り、古いしきたり通りにもう一度結婚の儀式をやりなおして、

その後、女の子が産まれるが、子どもを残してまた妻は姿を消す。

主人公は先祖伝来の家財や耕作地を金に換えて、娘をつれてかつて妻が言っていた「文城」という村を探しに行き、ついにそれらしきところにたどり着く。

そこまで読んで七分の一くらい。

〇たくにいさんのストーリーだと、むかしばなしのセオリーに従って答えるなら、いちばん貧しい人を選べばいいんですね。きっと。(すみません。コメントがなぜかできなくなっているので、こちらでお返事いたしました。)

2024/05/21

「文城」

 相変わらずバタバタしている。でも、そのわりには仕事はかどらず。

少しずつ余華の「文城」を読み始めた。わりと最近出版された作品だと思うが、もう翻訳されて日本でも出版されている。日本語版は4000円以上するが、わたしは中国のサブスクで毎月18元読み放題で読む。

まだ少ししか読んでいないが、北方の両親を亡くした主人公の若い男のもとに、南方から旅をしてきた兄妹が一晩泊めてほしいとやってくる。病気になった妹に「後で迎えに来るから」と言い残して兄は去っていく。娘は回復して、機織りをおぼえ、そのまま成り行きで主人公の妻となる。

…なんだか、日本昔ばなしにでもありそうな話だ。このあと、娘は鶴か蛇か雪女になって去っていくのかな、と思って、書評を先に少し盗み見したら、ほんとうに彼女は男の元を去っていくようだ。これ以上、ネタバレ書評などを読むのをやめて明日からまた少しずつ通勤電車で居眠りしながら読むことにした。

2024/05/20

やっと読了

 いまごろやっと「一週間」読了。

次から次へと駆け引きだの騙しあいだの。

Kindleだとどれくらいまで読んだかが%で表示される。

99%まで読んで「これからあと1%でどのようにこの物語が収拾するのか」と思ったら、あっけなく終わってしまった。コマツさんもイリエさんも結局さらなる厳しい土地へ送られて気の毒ね。そのあとどうなったかは語らずに物語は終わってしまった。

それにМの正体もよくわからないまま終わってしまった。私が毎日居眠りしながら読んだから読み落としたのかな。それとも、このあと、井上ひさしはこれを修正加筆するつもりだったのだろうか。


特に感動したとかそういうのはなかった。

一番、井上ひさしで印象が深かったのは、「四十一番の少年」かな。

あのヒリヒリした痛みを感じるような。一緒に収録されている作品も切なすぎる話だった。演劇もずいぶん見たけど、どれがよかったかな。去年見た「闇に咲く花」もよかったし、「紙屋町さくらホテル」もよかったし、「組曲虐殺」もよかった。

2024/05/19

竹簡

 アマゾンで竹簡を見た。たぶん、どれも中国製で中国で売っているものと同じだろう。

でも、不思議なことがある。アマゾンだと、論語が書かれているのは、何も書かれていないのよりも安いのに、中国のネットショップでは論語などが書かれているもののほうが高い。理屈で考えたら、字が書かれているほうが手間がかかっているのだから、高いはず。

以前は本の場合、中国で10元の本を日本では1000円で売るのが相場だった。

しかし、いま中国で40元や50元の本を日本で4000円や5000円で売るのは高すぎるような気がするので、どうなっているのだろう。コロナで中国に戻れなくなって日本からネット授業をしたときに、しかたがなくて日本の中国書籍専門のネット書店で中国で出版されたテキストを買ったが、その時は2000~3000円くらいだった気がする。

それでも、送料などを考えたら、まだ商売になりそうだ。竹簡を中国から発送して日本で売っても商売になるかなとチラリと思った。やる気ないけど。


こんな付属品もある


         ↑よく見ると、幼稚園児や小学一年生向けの小さいのもある。

2024/05/15

いろいろあるけど

いろいろなことがあったけど、書く気力も時間もない。

「一週間」は通勤時間に居眠りしながら、半分くらいまで読んだ。

入江医師の偽の脱走記録を書くところあたりまで。まだ先は長い。

井上ひさしの小説のべらべらと饒舌な感じは、彼の芝居のセリフを彷彿とさせる。

今年も夏に帰国したら、こまつ座の芝居を見に行こうかな。今年の夏は「母と暮らせば」らしいが、昨年あれの映画版を見て何となく鬱っぽい気分になったので、見るのが少し怖い気がする。



今年の夏の遊びの予定を考えるより、目の前の仕事の山を片付けなければ。 

2024/05/10

なかなか

 やっと卒論の修正は終わったが、それならそれでまた忙しい。

今度はいくつものコンテストの指導。

それと通常の授業も。二つの授業を受け持っていて、どちらも毎週課題を出しているので、

それを見るのも忙しい。自分で課題を出さなければいいのだが、それだと後ろのほうの席でぼんやりと何もしないでいる学生も出てしまう。しかし、課題を出しても、やっつけ仕事で何が何だかわからないことを書いてくる学生もいる。教師によっては、一方的に話すだけで終わりにしてしまっている人もいるようだけど。

結局、自分もたいへんだし、学生もいやがるし、どうしたらいいかわからない。

一方的に話すだけの授業をやって、あとは目出つことばかりしている教師もいるような気がする。

と、最後はなんとなく他の人の批判になってしまったので、この辺りでこの話はやめよう。

というわけで「一週間」はなかなか読めない。まだ一割くらい。

今日はお寺に行き、明日は午前中は大学の授業、午後からはコンテストの指導。

あさっては、たぶん家で授業の準備と学生が提出した録音の採点をして終わりそう。



2024/05/05

紹興一泊二日

 一昨日と昨日の二日間で紹興に行ってきた。

金曜日昼前に地下鉄で城市広場駅に着いた。

広場の周りをぐるりと歩いてから、バスに乗って蘭亭へ。

やはり人が多い。



             蘭亭御碑亭 清代に乾隆帝が臨書した蘭亭序↑

             日本蘭亭会の石碑 あのコロナの時に中国に送られた救援物質に書かれていた鑑真和上の漢詩がここにも↑
            ↑ここで曲水の宴が行われ、そのとき作られた詩集の序が「蘭亭序」。人多すぎて写真がうまく撮れなかった。


二日目は朝起きてから、歩いて魯迅故里に行ってみたが、紹興最大の観光地だからか、人が多かった。魯迅故居など、魯迅縁の施設はものすごい行列。そこで、魯迅故居は通りすぎて、バスに乗って、八字橋へ。
世界遺産。八字橋。
              紹興酒の香りがするミルクアイス。五元。
           最後に書聖故里へ。無料で蔡元培故居と孑民図書館に入れた。
 孑民図書館は、名称は図書館だが、実質的には蔡元培の記念館のようだ。新しくて立派な建物だった。最近、愛国教育のために作られた施設の一つのようだ。

雨が降ったりやんだりする中を歩いて疲れたので、昼頃の早い時間に地下鉄に乗って帰宅。
もっと他の場所を見る気なら見られたかもしれないが、とにかく出かけたということが大切。市街地のボロアパートに住んでいるとときどき気分がくさくさしてくるから、時々はきれいなホテルにとまって息抜きをするのもいい。紹興は近くだし、また気が向いたら一泊するのもいいかも。

2024/05/01

やっと終わった

やっと学生の卒論の修正から解放されて、買い物に行った。

いつも通り、サイゼで食事して、映画もみた。

映画は、ケチケチお金を貯めることを生きがいにしてきた男が余命を宣告されて、

古い友人3人と一気にそのお金を散財したところ、余命宣告が間違いだったことがわかり、そこからこの四人の仲が決裂するが、最後にはこの男の尽力により、みんなの夢がかなうという友情ストーリー。おもしろかったようなおもしろくなかったような。

こうして、書いてみると、わたしの休日といえば、イオンモールで食事して映画を見ることしかないような気がしてきた。

そこで、明後日の晩に紹興のホテルを予約して一泊二日ででかけることにした。特に何かを見る予定もないが、家にいてもしかたがないし。他のところに行ってみたい気もしたが、そうなると高鐵の予約もしなければならないので、地下鉄で行ける紹興にしてみた。何年も魯迅故居などにもいっていないから魯迅故居に行ってもいいし、他の場所に行ってもいいし。

とにかく行き先を決めないでブラブラ歩いて行くのもいいかもしれない。

〇「トイレで目が覚める」で驚いた。本当にトイレで倒れていたわけではなくて、よかった。わたしはここで一人で住んでいるが、こわいのは、そういうことが起こることだ。

学期中なら授業にこないので誰かがきづいてきてくれるかもしれないが、夏休みなどにそんなことになったら、誰もきづかないまま何週間もたってしまうかもしれない。そういうことは日本にいても同じなのだろうが、なんとなく日本にいたほうが勝手もわかるし、安心な気もする。そう思うと、そろそろ本帰国のことも視野に入れなければならないと思ったりもする。(でも、とりあえず今回の契約は更新することにした。)