2025/12/04

だんだんおかしな展開に

 昨日もドラマ『平凡的世界』を見た。

原作では、少安が結婚する日、恋人だった潤葉はお祝いの品を弟の少平にわたしてひっそりと帰っていく。

しかし、このドラマでは、潤葉は少安の結婚の日に、新婦の目の前で少安に「私は叔父の政治的立場をよくするために幹部の息子と結婚するが、あなたが忘れられない」というのである。

すると、少安は「自分が愛しているのは新婦の秀蓮だけだ。君は妹のような存在なんだ」という。

すると、さらに新婦の秀蓮が勝ち誇った表情で潤葉に「あなたは少安と結婚したかったんでしょう?今日だけ少安と手をつながせてあげる」と言って、むりやり少安と潤葉に手をつながせようとするのである。

なんだこれは。この二人の女性はどういうつもりでこんなことを言っているんだろう。


ドラマの脚本家はいったい何を考えてこんな改変をしたのか、まったく理解できない。

2025/12/03

ドラマ「平凡的世界」

 6話以降を見た。

ストーリーの大筋は同じだが、やはりドラマとしての改変がなされていて、原作とはかなり違う趣になっている。

YOUTUBEのコメント欄にも書かれていたが、登場人物のイメージが台無しになってしまっている。

少安や田福軍などは原作だと高潔な人物なのに、ドラマだと、少安は何かとがなり立てる粗野な田舎のアニキ風、福軍は自分の政治的立場のために潤葉と結婚したいという少安を振り払い、その後、少安が結婚する時にそのお詫びとして金を渡す小人物になっている。潤葉の父も「どん底の農民のくせに我が娘と結婚したいとごねる」少安を陥れ、少安は走資派として批判を受けることになる。原作の少安は、「村の指導者の娘でもあり、教師をしている潤葉が自分のような身分違いの貧乏な農民と結婚して苦労をするようになってはいけない」とひっそりと身を引いて別の女性と結婚するのだが。

なんだか実に低俗な人間模様が描かれた話になってしまっている。

これはこれでおもしろいので、別の作品として最後まで見てみようと思う。

2025/12/02

ドラマ『平凡的世界』

 『人世間』と『長恨歌』の最初のほうを読みかけたが、結局、それは後回しにすることにして、『平凡的世界』のドラマを見始めてしまった。

これも長い。56話もある。一か月くらいかかりそう。

5話まで見たところ、だいたいのストーリーは同じだが、ドラマには原作にはないエピソードがいくつも織り込まれている。たとえば、少平が学校で食べ物を盗んだと疑われたり、潤葉と李向前の結婚を既成事実化するために潤葉の両親が喜糖をくばったり。

そのほか、極貧の少平が学校で小ぎれいな服を着ていたりして、何となくリアリティがない感じもした。原作だと、高級中学時代の少平はズボンの下に下着のパンツも履けないほど貧しいことになっている。それに同じく貧しくてコーリャンの黑面馍しか食べられない元地主の娘もドラマでは赤いチェックのブラウスを着ていて、イメージとは違う。

ここから先はどのようになるのだろう。まだ先は長い。


〇それにしても、少しだけ読んだ『人世間』にも言えることだが、『平凡的世界』に描かれているようにいつ取るに足らないことが「政治問題」にでっち上げられて批判されてしまうかわからない社会は恐ろしい。

最近、ややもすると中国の大学もそんなところになってしまいそうな気がしてきた。