試験問題を作成しようと思ったが、半分くらいやって後は明日やることにした。
天気のせいか、やけに疲れる。
昼頃、LINEで妹から連絡があった。結局は行くことにした夏休みの旅行についての相談だった。そのときに何となく話の流れで「お母さんが一緒」という映画がおもしろいと妹がいうので、アマゾンで見てみた。三姉妹が母親の誕生祝いのために温泉旅行に行くストーリー。
人によってはおもしろいと思うのかもしれないが、10分くらい見てもううんざりした。
しかし、課金したから我慢して最後まで見た。
三人姉妹が終始、ピリピリとした雰囲気の中で不愉快な言葉を投げかけあう。
妹とわたしも何等かの拍子に理性を失って、腹の中にあるうっぷんを晴らしあったら、あんな感じになりそうだ。それなのに妹はあれをおもしろいと思ったのだろうか。
とにかくすべてに関して文句ばかり言う長女の強烈な狂いっぷりが耐えられない。
そして、その長女に巻き込まれて、せっかく行った旅行で、気持ちがいい温泉もおいしい料理もそっちのけで姉妹三人が大喧嘩をして、ひたすらいたたまれないような時間が流れていく。
姉妹がお互いに感じている劣等感と嫉妬。
結局、その元凶は母なのだ。長女の性格の悪さは母に似たのであり、不遇感は母がもたらしたのである。
大喧嘩の翌朝、次女がパワースポットの水をペットボトルに汲んでくる。
それを飲ませると、何をしても喜ばなかった母が喜び、大喧嘩をした三姉妹もいい気分になってあっさりと仲直りをする。
この映画では、旅行の主役であるはずの母はほとんど画面に現れないが、この三姉妹にずっと影響を与え続けている。
母というものは、そういうものかもしれない。
わたしの母もなくなり、もう影も形もないが、兄妹の間にわだかまりを残しつづけている。
しかし、わたしたちの現実には「パワースポットの水」はない。
兄は、これからはいとこたちも交えて時々食事会などをして親交を深めて行こうとLINEで書いてきたが、わたしも妹もとてもそんな気にはならず、ひそかにfade-outしようと思っているのである。もういない母がわたしたちの間に残した何かのせいで。