今日悲しかったことは傘をなくしたことだ。
なくしたのは、二年前に日本で買ったWPCの傘だ。WPCの傘は中国の女の子の間でとても人気があり、学生になんども「かわいい傘ですね」と言われた傘だ。
朝、出勤途中に鞄の中からスマホを取り出してみようとしたときに、急に風が吹き、
わたしの傘を吹き飛ばしていった。見ると、道の脇の溝(というのかどぶ川)に柄のほうを上にして船みたいに浮かんで、ドンブラコドンブラコと流れていくところだった。
溝と言ってもかなり大きな川で、道よりもずっと下にあり、もちろん拾うこともできないのであった。汚いどぶ川に浮かんでいると、わたしの傘はとてもきれいな傘に見えた。
あれは最後にはどこまで流れていくのだろうか。あんなきれいな傘なのに、そのうち、ボロボロになって沈むのだろうか。
傘ぐらいまた買えばいいのだが、そんなことを思ったら、とても悲しかった。