2024/06/06

「真珠とダイヤモンド」

 忙しいのに、桐野夏生の「真珠とダイヤモンド」を読んだ。

Kindle だから、実感しにくいけど、上下二冊なのでけっこう分量があるのだと思う。

「大地」はお休み。

「真珠とダイヤモンド」に出てくる準主役の男性は私と同じ年だ。

その人と妻がバブルのころに「サクセスストーリー」を駆け上り、転落する物語。

あの時代の顛末はもう周知のことだから、駆け足で成功の道をあがっていく二人がどのような最期を迎えるか、予想はできるのだが、さすが桐野夏生だけあって、夢中になって二日で読んだ。

わたしは株屋ではなかったけど、あのころ社会人になったばかりで、あの異常な社会を「大人の当たり前の日常」だと思っていたから、主人公たちがイケイケドンドンで、その先に転落があることさえ想像せずに突き進んでいった気持ちはわかるような気がする。

主人公の男女ふたりは自殺を余儀なくされ、彼らとは対照的に堅実に生きてきた友人の女性も最後にはホームレスとなってしまう。救いのない結末だった。

次はまた「大地」の続きを読もうと思っているが、この作品の主人公の王龍も「真珠とダイヤモンド」の登場人物のように調子に乗り出したようだ。もっと気持ちがハレバレするような小説が読みたい。


〇私の古いパスポートは没収されていません。持っています。穴も開いていません。期限切れだから当然使えないし。

古いパスポートは返したら困ることもあるのです。

たとえば、中国のビザ申請のように古い出入国記録を書き込まなければならないときも、返納してしまったら困ります。それに古いほうのパスポートにまだ有効な居留証がある場合も、返納してしまうと困ります。また、私はあきらめましたが、中国の定居ビザを取る場合も、5年分の出入国記録が必要になります。そういうときに古いパスポートが証拠になるので。

3 件のコメント:

  1. 穴は開けてもらったほうが、よいようです。場所や担当者によって方法が違うんですね、日本も。

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  2. 「真珠とダイヤモンド」、近所の図書館にあるけど、貸出中。人気みたい。でも私はバブルの頃に貧乏留学生で、まったく実感がないので、読んでもピンとこないかも知れない。でも中国の不動産バブルは、多少わかるかな。

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