2021/06/06

わたしの感性は変なのだろうか

 昨日、でかけたついでに「詩人」という映画を見た。2018年の映画で、東京映画祭にも出品されたので、日本でも上映されたらしい。

どういうストーリーかというと、前世紀の80年代か90年代の炭鉱町に若い夫婦が住んでいる。

夫は炭鉱で、妻は捺染工場みたいなところで、労働者として働いている。夫は詩人として成功して、そこから抜け出したいと思っている。以前の中国では、このような文芸方面で業績を上げることも立身出世につながった。献身的な母親のようにいたれりつくせり夫の世話をする妻。彼が賞をとれるように、彼に隠れていろいろなこともしている。

そのうち、妻は大詩人の張某に気に入られて、彼の下で働くようになる。そして、その大詩人の勧めで夫はあるコンテストに詩を出品することになる。そのコンテストの審査委員長を大詩人が務めているのである。

その後、夫はコンテストで一等賞を受賞。そのかげで、妻が大詩人と関係をもって彼に受賞させたらしいことが示唆される。(これは本当にそうだったのかどうか、映画を見るだけではわからない。大詩人がそのように夫に対してほのめかすだけである)。それが原因でこの夫婦は離婚する。

その後、映画の中では一気に時間がたって、夫は文芸協会のようなところの主席になっている。しかし、世の中がかわって、詩作などの文芸は流行らなくなっている。

ひそかに蔭から手を回して、元夫に資金を融通しようとする元妻。

そのあと、いろいろあって、失意の下で夫は死ぬ。その彼が死んだ場所にはいつくばって、彼をしのぶ妻。


…なんかそんな内容。

夫のために自分の人生をなげうって献身する妻。他の人に「お母さんみたい」と言われて肯定したりするのである。そして、妻の胸に顔をうずめて甘える夫。そして、なんと毛糸の股引が二人の関係を象徴するものとなっているのである。

20世紀に中国に行ったことがある人なら知っている。あのド派手な毛糸の股引。

なんだか、わたしにはこの二人の関係が闇の深いものに思えた。心理学者に見せたら、なんとかアディクションとか言われそうな不気味な話にしか思えなかったが、中国でも、日本でもレビューの評価が高いのである。


〇中国というのは、いまだにこういう女性を求める社会でもあるのだな。そして、実際には中国でもそういう人はめったにいない。そこで、中国人男性は、「日本人女性こそ、そういう献身的な妻になるだろう」と勝手な妄想を抱いたりしているようなのである。気持ち悪いから、そういう妄想はもうよそう。

〇話は変わるが、春月ねいさんのところのコメントに私が書いた武者小路実篤の「友情」も、Amazonで見てみたら、評価が高いのである。わたしの感性が変なのだろうか。


1 件のコメント:

  1. ほんと、気持ち悪い妄想ですね。でもまだまだ多そうですよ、日本は。

    返信削除