2024/12/19

『怨女』1張愛玲

 今日は午前中は寺。午後は学校で日本語コーナー。

昨日から『怨女』を読んでいる。今日はぜんぜん読めなかった。

これは今まで読んだ中でも少し難しくて、昨日一日だらだら読んでやっと60ページくらい。

話は題名通り、鬱展開。

『金鎖記』の改作らしい。主人公の名前も違うし、設定もいくらか違う。

『怨女』の主人公の名は銀娣。

油屋を営む兄夫婦と同居している。もう婚期がすぎかかっているので、兄夫婦は早くこの妹を嫁に出したいと思っている。彼女が思いを寄せているのは向かいの薬屋で働いている小劉だが、彼はおとなしい男性で銀娣に気があるのかないのか、積極的な行動をとらない。そうこうしているうちに、姚家の次男に嫁ぐという縁談が持ち込まれる。姚家は金持ちで、長男と三男はもうすでに良家の娘と身を固めているが、次男だけは独身なのだ。なぜかというと、次男は盲人でくる病で、喘息もちだからだ。しかも、銀娣が嫁ぐとしても、彼女の家柄がよくないので、実質は正妻だが妾の形になる。しかし、兄夫婦は妾として嫁ぐほうがお金がかからないので、その縁談を歓迎している。

銀娣は小劉と結婚したとしても、おとなしい彼が出世するとも思えないし、将来は農村で姑をささえて貧しい生活をすることになるだろうと考え、姚家の次男を選ぶ。

しかし、いくら相手が金持ちだとはいえ、そうした結婚が幸せなはずはないのである。

銀娣に子どもが生まれても兄夫婦は祝いを出すお金もない。銀娣はこっそりと兄がもってきた重箱に自分の装飾品を入れて渡し、それを質に入れた金で祝いの品を買ってこさせる。そうこうするうちに三太太の部屋で装飾品の盗難があり、銀娣が重箱に入れて兄に渡したのではないかと疑われる。実はそれはプレイボーイの三男が遊ぶ金のために持ち出したのだった。

障害者の夫に愛情が持てない銀娣にイケメンの三男が次第に接近してきた。ある日、家族で祝い事のため寺に出かけた時に、人気のない場所で銀娣は三男に関係を迫られる。そのとき、銀娣は生まれたばかりの子どもをそばの座布団の上に放置したため、子どもは病気になり、夫は銀娣がこんなに小さな子どもを連れて外出したからだと激怒する。

…このあたりまで。

それにしても、夫が探している念珠をみつけた銀娣が夫のそばでクルミを割っているのだといいながら、ペンチで念珠を一つ一つ潰すエピソードは怖かった。


2 件のコメント: