学校が始まったら、何かと急に忙しくなった。
通勤バスの中で少しずつ「どくろ杯」を読んでいる。
この本の中に出てくる戦前の日本は、知り合いだの、親戚だのの家に転がり込んで居候したりすることが当たり前だったようである。必ずしも金持ちで余裕がある人の家に転がりこむわけではなく、子どもがたくさんいる家や新婚の妹の家などでも転がり込むのである。むかしの日本は文学好きの素封家などがこうした文士を支えたりすることもあったようだ。著者は詩人という浮草稼業であるせいか、その日ぐらしで、ツケを踏み倒して夜逃げしたりもするのである。むかしの日本は、貧しかったのかもしれないが、そういう意味では今ほど世知辛い考え方はしなかったようだ。
いよいよ妻をつれて上海に行くところまで読んだが、その時も途中までの旅費しかなく、その後は上海でエロ本を書いてガリ版で刷って売りさばいたりして糊口をしのいでいく。内山書店の内山完造などは、そうした危なっかしい文士たちを支えたりもしてなかなか太っ腹な人なのである。内山完造が上海で書店を営んで成功した理由もこの本を読んでわかった。
とにかく、この本に出てくる1920年代の後半くらいの上海は、怖くておもしろい。
おはよううささん♪
返信削除読んでみようかな。
内山書店に、内山完造さんの写真が増えてました。
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