2021/04/07

余華「兄弟」上部だけ読み終わった

 ぼちぼち余華の「兄弟」を読んでいる。

馮驥才の「三寸金蓮」は纏足を施すくだりの記述で挫折してしまったが、この本はそれ以上におそろしい。

文革で次から次へと人が惨殺されたり、絶望の末に自殺したりする。しかも、その表現も生々しい。丁寧な描写といったらよいのか、しつこい描写といったらよいのかわからないが、これでもかこれでもかと人間の尊厳がずたずたに踏みにじられていくような地獄の世界が描かれる。文革の時って、ほんとうにこんなに狂っていたのだろうか。興味がある人は一度読んでみるといいと思う。勧めないけど。

下部はこの家族の中でふたりだけ生き残った兄弟が再び一緒に住むところから始まる。

今日、近所の本屋で紙の本を見たが、その厚さからして「兄弟」は「活着」の四倍くらいは分量があるのだった。まだ先は長い。

下部は「改革開放」の時代の物語なので、殺したり殺されたりの凄惨な場面はないだろうと思うが、この作者ならやはりそうそう平穏な内容ではないだろう。期待もしているが、恐ろしくもある。

今日はいろいろあって疲れ果てたので、明日また続きをよむつもり。

2 件のコメント:

  1. 文革中って闇ですよねえ。あったんだろうな、と思いますけど、あまり話したがらないですしね。

    返信削除
  2. 闇に関与していたら、話せないですよね( ;∀;)

    返信削除