家にいてもしかたないので、また映画を見に行った。
中国ではなぜか犯罪映画が多い。わたしはそういうのは好きではないので、
『尋秦記』を見た。21世紀の香港からタイムマシーンに乗って秦の時代へ行く話。
最初に行った項という男性はそのまま現代に戻らずに二人の妻を娶り、男の子を設ける。
この子が項羽になるらしい。
その20年後にこのタイムマシーンの開発者だった男性も秦の時代へ行き、秦王を殺して自分が皇帝になろうとする。最後には、項と秦王が勝利し、いったんは現代に戻るものの、また秦に戻っていく。
「歴史を改変してはならない」ということがテーマになっているようだが、21世紀から秦に行った人の息子が項羽になるのはいいのだろうか…
また、あとから秦に行った人たちが先に秦に行った項たちから現代にもどるための機器を奪おうとするだが、後から行った人たちのほうがずっと科学技術が進んでいる時代から自分の意志で過去に行ったのに、なぜ現代に戻るための機器を持っていないのだろうかとか。
あまりSFが好きではなく途中で集中できなくなってしまったせいか、よくわからないところがあった。
家に帰ってから張愛玲『傾城之恋』を読了した。
民国時代の上海の良家の六小姐である白流蘇は28歳。離婚して実家に戻ってからすでに7~8年がたっている。ある日、元婚家から元夫が亡くなったという知らせが来る。
実家は没落しているうえに兄たちは流蘇が持ち帰ったお金もすっかり使い尽くしてしまっていた。彼らにとってはすでに流蘇は厄介者だったので、「元婚家に戻って未亡人として食べさせてもらったら」というのである。
そうしているうちに、親戚の徐太太が流蘇の妹の七小姐に縁談をもってくる。流蘇にもついでに縁談をもってくるがろくでもない男である。みんな妹の縁談には熱心だが、流蘇のことなどどうでもいいと思っている。
結局、妹の縁談の相手である英国育ちの范柳原は妹には興味を示さなかった。
その後、徐太太に誘われて流蘇は香港に行くことになる。実は流蘇を気に入った柳原が徐太太に流蘇を連れてくるように頼んだのである。
柳原は流蘇と結婚する気もなく、責任を負うつもりもないのに、別の女性と一緒にいるところを流蘇に見せつけたり、夜中に意味深な電話をかけたりして、流蘇の心をもてあそぶ。
結婚できる見込みもないので、流蘇は一人で上海の実家に帰るが、当然、実家の人たちは冷ややかな目で流蘇を見る。
その後、また柳原から連絡があり、流蘇は香港に行くが、言ってみると柳原は「一年か半年か、香港を留守にするから待っていてくれ」というのである。
流蘇は香港で柳原を待つが、そのうちに戦乱に巻き込まれる。そこに柳原も戻ってきて、その戦乱を乗り越え、廃墟となった香港で協力しあってみずから食事を作り、家を片付ける。
そうしているうちに、本当の愛情が生まれ、柳原と流蘇は正式に結婚する。
柳原にとってはもはや流蘇は「自己人」なので、気の利いた言葉などは言わない。
柳原はそういう言葉は他の女性に言うのである。流蘇は浮かない気分になる。
…というストーリーである。
これを読んで、わたしは柳原という男が好きになれなかった。
実家にも帰れず、他に結婚のあてもなく、こんな恋愛に希望を託すしかない流蘇の心を故意にかき乱そうとしているようにしかみえなかった。この小説の最後に、「彼女の結婚を成就させるために、一つの大都市が傾き、おびただしい数の人々が死に、苦しむことになったのかもしれない」と書かれているが、その割にそうやって得た妻の座もたいして幸せそうでもないというのも張愛玲らしく皮肉っぽい結末だった。
おはよううささん♪
返信削除タイムマシンもの。
流行ってますかね。